『宇宙考古学の冒険』』
前半は宇宙考古学とは何かについて、著者がこれまで人工衛星を使って実践詩的な内容が中心ですが、後半はがらっと
変わります。そこでは考古学の未来像が描かれます。著者が考えたSFストーリーを簡単に掲載し、発掘が効率化される話。
SFとはいえ、ここに登場する技術の多くはすでに基礎ができており、現実味を帯びてきているとのこと。
発掘の効率化によって何年もかかっていた調査は数日で終わらせることができる日がくるかもしれないということでしたが、考古学者の仕事がそれでなくなることはないという。なぜなら地球上には未発見・未調査の遺跡が非常にたくさんあり、さらにそれらの盗掘防止、遺跡保護を考えるとむしろ考古学者だけでは手に負えない。そこで著者は100万枚もある衛星画像を一般人に公開し、世界中の人を巻き込む試みを始めました。このあたりの取り組みも斬新です。
文化や教育発展にお金をかけなくなっている日本。資金繰りが厳しいことは同じアメリカですが、研究資金を得ようとグッズまでつくって奮闘するアメリカの考古学者。こういうなまなましい話をきくことができる点でも面白い一冊
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