大阪市立美術館で開催中の『契丹』展に行ってきました。
契丹(きったん)ってあまり聞き慣れないかもしれませんが、高校の世界史には登場します。
忘れてしまった人も「耶律阿保機」(やりつあぼき)という建国者の名前を聞けばなんとなく思い出すかもしれません。
遊牧民の契丹族は中国で唐が滅んだ後(917年)、遼という国を建て、金に滅ぼされるまでの約200年間、中国北方で
栄えていました。
皇族クラスの古墳から出土した黄金マスクなどが展示されており、エジプト展などのような有名な企画展と比べ、
契丹はまだまだ知られていないかと思われますが、黄金のマスクなど見所は満載でした。また、結構、展示品を
裏から見れるような配置で展示されていたので、いろんな角度から見ることができました。こういう展示も意外と少ない
んですよね~
私のお目当てはもちろんガラスですが、中国のガラスというとあまりピンときません。中国は国産ガラスというよりも
シルクロードや貿易などでもたらされたガラスというのが印象強いです。
ガラスの展示品はこの展示に関するHPにも掲載されていましたが、この画像のガラスは10-11世紀のイスラーム・ガラスに
特徴的な形のガラスです。このほか、無数の突起がある球形の胴体と長い首、「m」字のガラスを重ねて把手としたガラスなど、
ローマ・ガラスとはまた違った形のガラスが展示されていました。無数の突起の付け方や、m字ガラスをどうつなげていったのかなど、
技法的に関心があるガラスでした。
まだまだこれから研究が進んでもっとたくさんのガラスが発見されれば交易ルートも明らかになってくるでしょう。