『海を越えたはるかな交流』展
奈良県橿原市にある新沢千塚古墳群にはその名のごとく、たくさんの古墳があります。そしてそれらの発掘調査によって、豪華な金工品やガラス器、ガラス玉などが発見されましたが、これらの源流はユーラシア大陸のはるか西方に求められます。古墳時代にはすでに遠方の地域と交流があったことを示しているのです。本カタログはこのように橿原市とユーラシア大陸をつなぐ文化交流の存在をテーマにしています。
これら数ある古墳の中で126号墳と呼ばれる古墳はひときわ注目を浴びています。周辺の古墳となんら変わり映えしないこの古墳から紺色のガラス皿と透明のカットガラスがセットで発見されたからです。この他、金の冠飾り、耳飾り、指輪など多数の装飾品やガラス玉なども出土しました。このことは以前から知っていましたが、実物を見る機会がなく、この展示でようやく初対面となりました。
このカタログではガラスの出土状況や、紺色ガラス皿にうっすらと残るペイントの痕跡、透明ガラスのカット文を写真でみることができます。このガラスの写真をカラーで見ることができるのは、有名なガラスにもかかわらず非常に少ないので貴重です。その他一部のガラス玉も掲載されています。ただ、これらのガラスに関しては他に類例がなく、まだ研究が進んでいません。なお、これらガラスについては、発掘報告書『新沢千塚126号墳』に詳述されています。かなり古い文献になりますが・・・・
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