ファイヤーキングってご存知でしょうか?かつてとある雑貨屋さんで個展をさせて頂いた時に、そこにシンプルで愛らしく、でもオーブンに入れても割れないというすごいガラスがあることを店主に教えてもらい、個展最終日に自分の作品と物々交換していただいたのがファイヤーキングとの初めての出会いでした。
このガラスはアメリカうまれです。アンカーホッキング社が1942年から1976年にかけて大量に製造していた食器類で、厚ぼったくて丈夫、オーブンに入れても割れない耐熱性、バラエティに富む器の形、柄などが人気で、どこの家庭にもあったといわれているほど普及していました。コレクターのこころをくすぐる性質をたくさん持ち合わせているのに、実用的でもあるため、集めて飾るだけではもったいない・・・しかしもう製造されていないので使うのは憚られる・・・という何とも憎らしいガラスです。
マグカップはもちろん、お皿、ボウル、ピッチャーなど形だけでなく、柄も単色からキャラクターものなどバラエティに富むガラスですが、中にはレアな商品もあるようで、そういったものはもちろん高いです。一昔前のプリント技術なので柄もずれていたりと、普通なら手作りの良さといわれる要素も持ち合わせており、古き良き時代ガラスの代表といったところでしょうか。
本書は食器類のうち、マグカップだけにしぼっていますが、これだけで十分ファイヤーキングの魅力を引き出しています。コレクター向けにレア度を星の数で示しており、星の数が多いほどレアとなっており出会う確立が低いことを意味します。いくつか買ったことがありますが、さすがにレア物は手が出せません。私の場合はコレクションというよりも実際に工房で使うために買ったので何度か割ったこともありますが、しかし最近は熱湯で割れてしまい、驚きました。耐熱ガラスなのに・・。
写真も豊富でファイヤーキングの見方やコラムなども紹介されており、見ていて飽きない本です。コレクションにハマりすぎないようにご注意を!