ガラスにはステムや台がついたものがあります。
これらは普通、それぞれ別のガラスで作られているのですが、
古代においては全部一つのガラスで作られることが多い。
別々に作ったものと一つのガラスで作ったものは、
その断面図がこんな感じになります。
前者の方がバラエティに富むグラスになります。
本体とは別のガラスをつけるので、それぞれに加工を施したり、
本体と違う色ガラスを使ったり。典型的な例がヴェネチアン・グラス。
これはステムから台から遊びたおしたものが多い。
後者は一番最初に巻きとったガラスの量ですでにバランスが
決まってしまい、台というものに成形する以外にほとんどいじることが
できません。
ただ、前者に負けない特徴があります。
それは、
たった一人で全部作ることができること。
古代のガラス職人は現代のようにアシスタントと一緒に作ることは
なかったようで、そのような製作スタイルがカップ・台一体型ガラスを
生み出したといえます。