レバノンへ行くことになったのは現京都大学大学院のI先生のひとことでした。
大学を卒業しても個人的に研究を続けるため大学に時々通っていて、
I先生に近況を聞かれたので「まだガラスの研究をやってます」とお伝えしたところ
「レバノンではガラスが発掘されているから来てみるといいよ」。
多分、何気に誘っていただいただけかと思いますが(笑)、日本では吹きガラスを
発掘することはほとんどないに等しく、しかし博物館コレクションよりも生の出土ガラス
を見ないことには、研究に説得力がないと思っていたので、その言葉に思いっきり
甘えさせていただきました。
とはいえ、当時はすでに吹きガラスを始めていましたが、もともとは出土ガラスを、それ以上劣化
させないためにはどうしたらいいか?割れたガラスを復元するにはどんな方法がよいか?ガラスが
劣化するメカニズムは?といったガラスの保存科学という分野をテーマに勉強していたので(言い訳です)発掘なんて
からっきし、図面も実測図もほとんどやったことがなかったので
お手伝いできるとすればなけなしのこの保存の知識と力仕事、体力仕事だけ・・・これは黙っていましたが(笑)、実際、
刺々しい雑草がボーボーの場所を草を刈って、モリモリ掘って・・・というところから始まったので
何かとお役にたてかと・・・・
とにかく、バイト代で稼いだお金でレバノンに連れて行っていただきました。
2002年、海外旅行も韓国しか行ったことがなく、英語も全然ダメ。アラビア語なんて想像もつかない。
出るか出ないかも分からないガラスを掘るために。
発掘隊で分担した発掘調査道具で膨れ上がったスーツケースを持って、関空からミラノへ。
ここで1泊してレバノンのベイルートという航程でした。
で、早速やらかしました。
ミラノで迷子。
つづく・・・・