幼少時に読んだ歴史物語を実際に起こった出来事だと信じ、経済的成功を収めた後、経済的活動をばたりと辞め発掘して、歴史物語に登場した古代都市を本当に発見したという話は有名ですが、経済活動を辞めた後、中国や日本を訪れていることはご存知だろうか。
中国の当時の王朝は終末期の清。日本は江戸時代終末期。本書にはこの二つの国の旅行内容が収められています。短期旅行なので文庫本にしてもページ数はあまりありませんが、ともに時代の転換期を迎える国で、一個人が覗いた当時の状況を知る貴重な資料といえます。もちろん彼のモノの見方は特徴があるので注意が必要ですが、逆にそれが面白いところ。
当時の日本は鎖国状態だったので外国人が旅行するには不便が多かったようです。ところどころで清国と日本の比較がなされていますが、大体において日本は好印象な記述が多く、特に日本の清潔さと、男女関係なく識字率の高さという、今と同じような評価がされていました。
寺の中に花魁の絵が飾られている、ちょっとのチップも付き添いの侍が受け取らない、男女混浴の風呂、など今とはギャップのある記述もちらほらと。なかなか憎めないシュリーマンでした。