Books:本の紹介

『Early Glass of the Ancient World』2010.10.06

『Early Glass of the Ancient World』

Early Glass of the Ancient World

  • E. Marianne Stern
    Birgit Schlick-Nolte
  • 1994
  • Hatje
  • 430ページ
  1. Technical Considerations (技術論)
     Glassmaking (ガラス製造)
     The Working Properties of Glass (ガラスの性質)
     Glassworking Facilities (ガラスの設備)
     Manufacturing Techniques (製作技法)
     Conclusions (結論)
     Notes on Technical Considerations (註)
  2. A Hoard of Hellenistic Luxury Glass (ヘレニズム時代の高級ガラス)
     The Hoard in the Wolf Collection
         and the Glass Hoards from Canosa (ヴォルフコレクション及びカノッサのガラス)
     Date of the Hoard (収集品の年代)
     Origin (起源)
     Techniques (技法)
     Conclusions (結論)
     Notes on the Hoard of Hellenistic Luxury Glass (註)
  3. Catalogue
     The Late Bronze Age 1600-1200 B.C. (後期青銅器時代 前1600-1200年)
     The Iron Age 900-400 B.C. (鉄器時代 前900-400年)
     Mediterranean Core-formed Vessels 550 B.C.-A.D. 10 (地中海のコア成形ガラス 前550-後10年)
     The Hellenistic Age 330-30 B.C. (ヘレニズム時代 前330-30年)
     The Early Roman Empire 30B.C.-A.D. 70 (前期ローマ帝国時代 前30-後70年)
     Hellenistic and Early Imperial Roman Glass Objects Ca. 330 B.C. -A.D. 50
      (ヘレニズム時代と前期ローマ帝国時代のガラスオブジェクト)

vitrum lab.評

E.M.Sternは古代ガラスの実験考古学的研究専門家で、会ったことはありませんが尊敬すべき研究者です。私が知っている唯一のガラスの実験考古学的研究者で、現役の頃、ぜひお会いして私の研究を見ていただきたかった方です。そしてB. Noleはエジプトガラスの権威です。彼女の本は翻訳され『エジプトの古代ガラス』として出版されていますが、エジプトの古代ガラス研究のバイブル的な本でしょう。この二人が組む本、すばらしくないわけがありません!

 洋書ですら、実験考古学的研究から古代ガラスを扱った本は珍しいですので、個人的に非常に貴重な本です。さまざまな製作実験を行っており、実験の写真が豊富でついつい見入ってしまいます。粘土の吹き竿を使った実験は特に有名です。

本の後半はカタログで、大きな写真と実測図がついていて扱いやすいです。いくつか、斜めから撮られたものもあり特徴が分かりやすいです。今から16年も前の本でこのレベル。和書でこれを抜く本はいまだに見たことがありません。古代ガラスの技術に興味ある方は必見の本です。

vitrum labook

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2010.10.06 00:30 | ガラス, , 考古学

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