『インドシナ王国遍歴記』2010.10.11
『インドシナ王国遍歴記』
- アンリ・ムオ(19世紀の探検家) 著
大岩 誠 訳
- 2002
- 中央公論新社
- 361ページ
- 航海-シャム並びにその首都バーンコークの第一印象
- バーンコークの住民-シャム人-男、女、子供-家族主義-不思議な対照-迷信
- シャム王-その博識-王宮
- 第二王-階級制度と高官の頽廃-寵妃と娘子軍
- 博奕と芝居
- メーナムの遡行-河畔及び水上生活者並びに船-アユタヤーの今昔-王室編纂史の一節
- パクプリオ-プラーバート山-法親王-寺とパゴダ-仏陀の足-地質学上の痕像
- パタウイ-壮観-バーンコークへ帰る
- カムボジァへ-漁船の旅-チャンタブーン-産物-商業-この地方の概観-シャム湾の群島-鰐はどうして猿を捕えたか
- 山(サバブ山)の生活-猟-虎-蛇等々
- チャンタブーンへ戻る-コ・クウト島、コー・コン島等-カムポット湾の美景-カムボジァ-この国の商業-哀れなこの国の現状-カムボジァ王宮に於ける謁見
- 外カムボジァ-現在の首都ウドン-第二王との謁見等々
- ウドン出発-象隊の行進-ピニャール-宣教師の美挙-カムボジァの太湖-メコン河
- ピニャール出発-カムボジァの大市-プノム・ペン-メコン河-コ・スタン島-パムプチエラン-カムボジァの国境-ブレルム及び未開人スチエン族の国への旅
- 未開人スチエン族の間の三カ月-本族の風習-産物-動物-アンナン人の風習
- ピニャールへ-九頭の象に遭う-被圧迫民-カムボジァの甦生に就いて-太湖ツーリ・サップ
- ツーリ・サップ湖の横断-バッタムバン河及び町と州-居住民と廃墟-オンコールの廃墟へ-廃墟の描写
- オンコール州-前言-オンコール-町、寺、宮殿及び橋
- オンコール州の廃墟-パ・ケーン山
- オンコールの廃墟並びに往時のカムボジァ人に関する意見
- カオ・サムルーすなわちペチャブリー州を横断してバッタムバンからバーンコークへ
- ペチャブリーへの旅
- バーンコークへ帰る-ラオス北東部への旅の準備-出発
- ノパブリー-洪水の祭-仏教僧、僧侶、修道聖職者、説教僧、先生-アユタヤーの象の囲い場-大巻狩-北東へ-サオアイとペチャブーン州
- カオ・コク行-「ドン・プラヤ・ファイ」すなわち「冷王が森」の横断-役人と白象-倫理学者、自然科学者、狩猟家としての観察
- チャイアプーン-バーンコークへ帰る-白象-再び「冷王が森」へ-コーラートとその州-プノム・ワット
- コーラートからルアン・プラバーンへ-メコンの谷の西の斜面
- ルアン・プラバーン-この町の東部及び北部の覚書-日記の最後からの抜萃-旅行家の死
vitrum lab.評
アンリ・ムオは19世紀の探検家で、アンコール・ワットを紹介し有名になった探検家です。厳密には紹介したのは過去に何人かいましたが、この価値を見出し博物学的な視点で紹介したのは彼が初めてでした。
アンコール・ワットを旅行する機会に、アンコール・ワットをヨーロッパに紹介した19世紀の探検家の本を読み、当時の描写にガラスのことが書かれていないか知りたいと思い読みました。単にアンコール・ワットのことを知りたいのであれば、発掘の成果からもっといい本がありますので必読の本ではないでしょう。
ムオは博物学者で、探検の途中でよく昆虫や植物を採集していました。また、廃墟のこと、民族のこともよく観察し様子を伝えています。単なる宝探しではなく、学術的な探検だったことがよくわかります。
ガラスのことが若干かかれています。建物にガラスが埋め込まれ、まるで万華鏡のようだとか、冠にガラスがちりばめられているとか、商品としてのガラス・・・などなど。しかしカンボジアは現在、ガラスが作られているのかすらわからないくらいの薄い存在のようです。ガラスの工房を見つけることができませんでした・・・・。しかしタ・プローム遺跡で壁一面に開けられた穴に宝石やガラスがちりばめられていたという過去の痕跡を見つけることはできました。
タ・プローム遺跡
vitrum labook
ここで紹介した本は下から選んでご購入いただけます。カンボジア関係もいろいろ紹介してます
2010.10.11 15:19 |
その他,
ガラス,
本