タイトル的にはこれから考古学を学ぶ人向けの本です。目次を見て分かる通り、ある人が発掘を始めたら起こり得る出来事への対処が非常に簡潔に書かれているのが前半。後半は出土遺構・遺物についてその道の研究者からの所見が述べられ、最後に有名な遺跡の紹介があります。考古学専攻の大学1年生が最も適した読者かもしれません。ほとんどの内容が1ページおよび見開きで終わるように書かれているので、さらさらと読み進めることができます。
個人的には「遺物各論」内にガラスの項があったので購入しましたが、成分分析で著名な肥塚氏が担当されています。氏がこれまで公表されている内容を簡潔にまとめたものとなっていて、概略を知るにはいいかもしれませんが、専門的知識を望むのであれば、肥塚氏の論文を直接読むことをお勧めします。