Books:本の紹介

『アイヌたま』2012.08.21

『アイヌたま』

  • 杉山寿栄男
  • 1936
  • 89ページ
  • 北海道出版企画センター
  1. 原始人と玉飾り
  2. 我が上代に於ける玉の信仰
  3. 曲玉と勾玉
  4. 我が上代に於ける硝子玉類と硝子製品
  5. トンボ玉とその名称
  6. アイヌ玉に関する土俗信仰
  7. アイヌの玉に対するその名称
  8. アイヌ玉の飾り方
  9. アイヌ玉の各形式
  10. 硝子玉の製作技法について
  11. トンボ玉と江戸時代
  12. アイヌ玉と埋堀トンボ
  13. アイヌ玉と松前屋敷
  14. アイヌ玉とその変遷

vitrum lab.評

初版がかなり古いですが、アイヌ玉に関する貴重な文献となります。玉類一般的な内容から、アイヌによる玉への考え方、呼称、使い方などの記述といった民俗学的な評価、それから外観からみた型式学的な内容と技法的な内容、そして歴史考証と、少ないページながら広い視点でアイヌ玉が研究されていることは意外でした。古い本なので読みにくいところもあったり、再確認が必要だと思われるところはありましたが、全般的には優しい内容で分かりやすかったです。また、質はそれほど良くはありませんが、カラー図版が付いており、ひとつひとつ丁寧な解説まであります。アイヌ人はほとんど記録を残していませんから、著者はよく調べられたと思います。また技法を探るために、工房を訪ね歩いたりしていたことは、私もそういうことをするので、個人的な興味は強かったです。今と違って昔は技術は門外不出なところがあったのでなかなか苦労されたかと思います。アイヌ玉研究にはかなりおススメいたします。

2012.08.21 23:59 | ガラス, 実験考古学, , 考古学

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