この変わった形のガラスはいつもオリジナルデザインと間違われるのですが、考案者は古代のガラス職人です。
特に地中海沿岸地域のローマ帝国領でたくさん作られました。用途は化粧瓶と言われています。
一見、2つの試験管のようなガラスをくっつけているように見えますが、一つのガラスから本体が作りだされています。
初めて技法の解明に挑んだガラスとして個人的に愛着があります。口の成形法の解明だけで1年はかかっています。
本来なら当たり前のように使っている紙リン(濡らした新聞紙で熱いガラスを触って形を整える)やハサミ(ハンドルなど
別付けのガラスを切る)は使っていないため、実物と同じようにガラスを引きちぎった痕跡が見られます。
吊手はほとんど道具で触らずに仕上げると美しく仕上がります。実物もあまり道具でさわった痕跡がありません。
形を整えようと道具で触りすぎるとどんどんあらぬ方向へ向かってしまい、それをまた直そうと加熱しては成形・・・
と悪循環になってしまいます。
また吊手を次々と付けていくと、高さがでるので、温度のムラがでやすく、竿元が冷めやすくなってきます。最後の方は
軽く竿をたたくだけでポロっとガラスが落ちる状態。そんな微妙なバランスで成形しているのですごく神経を使います。
というわけで、オーダーメイドの二連瓶が完成しました!