『古代ローマ人の24時間』2014.06.29
『古代ローマ人の24時間』
- アルベルト・アンジェラ 著
関口 英子 訳
- 2012
- 552
- 河出書房新社
- 当時の世界
- 日の出の数時間前
- 午前6時-裕福な人が住む邸宅
- 午前6時15分-室内装飾にみる古代ローマの趣味
- 午前6時30分-主人の目覚め
- 午前7時-ローマ式の服装
- 午前7時10分-女性のファッション
- 午前7時15分-古代ローマ時代の男性の身だしなみ
- 午前7時30分-2000年前の美しさの秘訣
- 午前8時-古代ローマ風の朝食
- 午前8時30分-開門の時間
- 上空から見た切りの朝のローマ
- すみません、今何時ですか?
- 午前8時40分-理髪師と一日の最初の労役
- 独特な世界、インスラ
- 午前8時50分-インスラの人間的な側面
- 午前9時-インスラの「非」人間的な側面
- 午前9時10分-ローマの道路
- 午前9時20分-商店と工房
- 午前9時40分-神との出会い
- 午前9時50分-古代ローマ人の名前はなぜ長いのか?
- 午前9時55分-ローマ人の遊び
- 午前10時-路上の学校
- 午前10時20分-家畜の市場、フォルム・ボアリウム
- あらゆる富を引き付ける都、ローマ
- 午前10時30分-インドのような雰囲気だった古代ローマの街路
- 午前10時45分-芸術作品に囲まれ、つかのまの憩いを楽しむ
- ローマ人の身体的な特徴
- 古代都市ローマが抱えていた八つの大きな問題
- 午前11時-奴隷市場
- 見習い巫女とのつかのまの出会い
- 午前11時10分-フォルム・ロマヌムへ
- 午前11時30分-ローマの裁判所、バシリカ・ユリア
- ローマの元老院
- その時、コロッセウムでは・・・
- 午前11時40分-大理石に囲まれた皇帝たちのフォルムを散策する
- 午前11時50分-古代ローマのトイレ
- 正午-古代ローマにおける出産
- 12時20分-タキトゥスとの出会い
- 12時30分-コロッセウムでの公開処刑
- 午後1時-昼食は、バールで軽く
- 午後1時15分~2時30分-みんなで公共浴場へ
- 午後3時-コロッセウムの中へ
- 午後3時30分-剣闘士の登場
- 午後4時-宴に招かれる
- 午後8時-無礼講の時間
- 古代ローマにおける性行動の変化
- 午後9時-古代ローマ人の性
- 午前0時-別れの抱擁
vitrum lab.評
目次を見て分かるように書名そのものの内容になっています。内容は読むだけで時代も場所も違う当時の情景がまざまざと思い浮かび、それだけ詳細な記述になっていることに驚きます。それもそのはず、著者はイタリアの科学ジャーナリストで人気番組の企画・監修を務める父を持つ人物。研究者や専門家が書くような内容ではなく、とっつきやすい万人に分かりやすい書き方で執筆されていることも、読みやすい理由になっているように思えます。なにせ500ページを超える大著ですが、いつの間にか読み終えていたという感じです。ときどき現代の習慣と比較するところもあったりと、著者は決して分かりやすさをなおざりにしない。24時間の中にぎゅっと濃縮された普段の生活の記述を読んでいると、意外と人間って変わっていないなと感じさせられます。現代につながるほとんどの基礎がこの時代の24時間を語るだけで出来上がっていたのだと感じずにはいられない。
さて、古代ローマと言えば吹きガラスが誕生した時代。しばしばガラスのことも出てきます。香水瓶、窓ガラスなど。そしてそれらの使われ方や収納されている場面。500ページを超える本書では詳細な記述はあまり見かけませんが、「あ、あのガラスか」とイメージできるものもありました。
本書は24時間という時間枠で括った内容ですが、同じ人が書いた『古代ローマ帝国一五〇〇〇キロの旅』という著書があり、これは空間をテーマにした話しなのかなと思い、読んでみたいと思っているところです。
2014.06.29 09:11 |
ガラス,
本,
考古学