Blog:羅馬は一日にして成らず -2nd edition-

研究論文2016.05.30

ガラス工芸学会発行『GLASS』60に久しぶりの論文を発表しました。
古代吹きガラスの技法から始まった私の研究は、ガラス玉にまで広がりましたが、
両者の関係性に関心を持つのは自然の成り行きだったと思います。

歴史的にはまずガラス玉が作られ、それから吹きガラスが誕生します。
考古学的な証拠から、吹きガラスは現在、ガラス工房で見られるスタイルと
それほど変わっていないことが分かっていますが、古代のガラス玉に関してはよく分かっていません。

現在ではバーナーでガラス棒の先端を熔かし、芯棒に巻きつけていくという方法が主に使われています。
そこで、古代のバーナーってどんなものだったのか?と、古代のバーナーを追及してしまいがちですが、
古代ガラス玉をよく観察すると、 ガラスを熔かしながら作る方法では残らない痕跡を有するものがあることに
気付きました。

ここから古代バーナーを追及することはいったん置いておいて、「もし、バーナーがなかったら
どうやって作ることができるか?」に考え方を変えて行った研究がこの研究です。
この研究を行うに当たり、昔別の目的で訪れたガラス工房の資料が役に立ったり、
別の目的で購入した電気炉が役に立ったり。

面白い視点を提供できたのではないかと思っていますが、まだまだやりたい研究があります。

 

2016.05.30 23:15 | ブログ

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