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「世界遺産ラスコー」展 – Vitrum Lab.

Blog:羅馬は一日にして成らず -2nd edition-

「世界遺産ラスコー」展2017.02.20

東京国立科学博物館
2016年11月1日~2017年2月19日

壁画保全のため現在は立ち入ることができなフランス・ラスコー洞窟。1mm以下の誤差とういう高精度のスキャナーと
アーティストたちの技術で博物館内に臨場感あふれる再現が実現しました。

とざっくりなうたい文句ですが、観てきました。

展示期間の最終日に近づいており、開館から間もない時間帯に行ったので空いていると思いきや、
まあまあな来場者数でゆっくり観れない個所もありました。これが休日だったらもっと混雑していたかも。
復元展示がメインなので1部を除き、撮影可能。タッチパネルや映像も多様して、「体感型展示」を目指してつくりこまれた
ことが伝わってきました。

最初に目にするのが、いきなり洞窟の縮小模型。全長およそ200mの洞窟全てを模型化しているわけでは
なく、途切れ途切れで各区域を再現。各区域の両端はオープンになっていて、そこから内部を除きこむことができます。
内部には人間の模型が置かれていて、スケール感が分かるように工夫されていました。ただ、この模型は白一色の素材で
作られているため、内部の壁画までは描かれておらず、あくまで洞窟の全体像をつかむ為のもの。各区域の主な壁画は
この模型を支えている台に印刷されているので、どの壁画が洞窟のどの区域に描かれていたのか、はなんとなくわかるように
なっています。

 

全体像が分かったところで、次の会場では、いよいよリアルな洞窟内を体感できる展示へと変わります。

高精度スキャナーとアーティストの技術によって壁面の凹凸感が再現され、その上に実際に動物群が描かれているため
本当に壁画を剥ぎとって展示されているような雰囲気でした。定期的に照明が真っ暗になり、壁画部分が白い輪郭で
光って見えるようになっており、どこに何が描かれているのか分かりにくい時は光の輪郭を見ればよいというようになっています。

臨場感を味わった後は、これは撮影禁止場所でしたが、実際に発掘された道具やランプなどが展示されています。
クロマニョン人たちは絵だけでなく、骨などに像を彫り込んでもいました。

壁画は足場が悪いところにも描かれており、はしごなどを使っていたとされていて、
数百点も絵があったり、ランプをかざしたり、ランプの燃料を補給したり、する必要から、
絵師は一人ではないことが指摘されています。そうだとすると、数人ないし数十人が
同じ画質で描いていることになるので、コミュニケーション能力もあったと考えざるを得ない、
実際、壁画には意味不明な記号のようなものも描かれていて、これを文字だとする研究者も
います。

これは世界巡回展らしいのですが、日本オリジナルとして、クロマニョン人と日本の旧新石器時代の展示が
見られます。壁画を描いた古生人類と日本の石器時代人との違いの比較は面白かったです。
「クロマニョン人」というようにひとくくりにされることが多いため、大陸間での違いを見る機会があまりなかった
ように思います。

最後に、研究がどうされていたのか、暗い洞窟内での撮影や記録がいかに厳しいものであったのか、
といった簡単な展示もありました。研究初期から壁画を傷つけないような工夫がされていたとのこと。
例えば照明時間を短く決める、岩肌を傷つけないようにトレースするなど。

個人的に、模型やジオラマ、映像を多用する展示は好きではないのですが、 完成度が高いというのと、
雰囲気作りがうまいというのもあって、飽きませんでした。これが壁画写真を並べただけなら、評価は低かったと
思いますが。

 

 

2017.02.20 11:29 | ブログ, 博物館へ行こう

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