Blog:羅馬は一日にして成らず -2nd edition-

「朝から晩まで古墳まみれ‼︎オトナの古墳イベント」にて 後半2018.06.28

歩き疲れた体を近くの古墳にまつわるランチを食せるお店で過ごした方が多かったと思いますが、
その後は紙cafeに集合し、私の講義「日本が古墳時代だった頃、世界ではどんなガラスがつくられていたか」
を聴いていただきました。

古墳時代に当たる4~6世紀。この頃、西方にはローマ帝国やササン朝ペルシア帝国が、中国では隋が、
朝鮮は島では高句麗、新羅、百済が興っていました。
この時代は吹きガラスが作られるようになってすでに400年以上が経過しており、
各地で様々なサイズ・形状の器が作られるようになっていました。
技術のレベルには差がありましたが、この時代には東西を結ぶシルクロードが発達しており、
ガラスもこの道を通って移動したことから、中国や日本から遠方のローマガラスやササンガラス
が見つかっています。

ガラスが出土している日本の古墳として、大仙古墳(仁徳天皇陵)、安閑天皇陵、新沢千塚126号墳
を紹介しました。

仁徳天皇陵

安閑天皇陵

新沢千塚126号墳

それから、過去に私がいくつか関わってきた古代ガラスの復元の様子を
見ていただきました。それに関しては

作品紹介

を見ていただくと、いろいろな製作品を紹介しています。

古代ガラスの技術研究において国内の工房を見るだけでは限界が生じ、
世界のガラス工房を巡ったことがありましたが、それは

ガラス工房

にまとめています。

講義は大学や研究室で行うようなものとは違い、ここは古墳を愛する人たちの集まりでも
あるので、一風変わった雰囲気で行われました。講義後、最近刊行された『古墳群』編集者のNさん
との対談式質疑応答、そして和泉蜻蛉玉の伝統工芸を受け継ぐ山月工房のMさんの紹介を交え、
その後は古墳メニューを交えた飲み会で大いに盛り上がり、さらにさらに、はるばる九州から起こしいただい
た落ち武者さん。なんと地元で地域活性のために思い付いたキャラだそうで、今、注目されているという。

真剣に聴いていただきありがとうございました。とても刺激的で緩やかで、知的で素敵な一日でした。

2018.06.28 09:17 | ブログ

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