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ファイアンスのワークショップに参加 ③ – Vitrum Lab.

Blog:羅馬は一日にして成らず -2nd edition-

ファイアンスのワークショップに参加 ③2020.03.13

ファイアンスを体験する

ファイアンスのワークショップは大人気ですぐに予約が埋まります。
午前と午後の部に分けられ、午前の部に参加させていただきました。
参加者は午前では9~10人だったかと思います。
そして参加者のほとんどがモノづくり関係者とお聞きしました。
ファイアンスは扱いが難しいとおそらく皆さんはご存知で、
それに対する挑戦者たちとも言えます。

ワークショップの様子

 

私自身は、20年の研究歴の3分の1を「吹きガラスの技法」として一通りやった後、
残りを吹きガラス直前の技法である「鋳造」、そしてさらにさかのぼって「ガラス玉」
というように歴史を逆に遡り、これらの技法がどのようにつながるのかを探っています。
さらにその先にはガラスの前段階物質ファイアンスが存在し、ガラス史研究上、避けては
通れないこの素材に触れてみたいという想いが20年以上前からあり、
研究が進んでその姿がようやく見えてきたこのタイミングでやっとこさ触れることができました。

  1. 原料を混ぜる
    原料は山花氏がワークショップ用に少しアレンジして(可塑性が向上するベントナイト(粘土))
    を準備。容器に入れたこの原料に、水をスポイトで少しずつ足しては混ぜ、を繰り返し、
    全体的に湿り気を帯びて、指圧でまとまりそうになる状態にする。

    原料を混ぜる

    この段階ですでに難しい(笑)。水を混ぜないと成形ができないが、混ぜすぎると片栗粉を
    水で溶いたようになりやはり成形できない。水が少ないといつまでも粉っぽく、まとまらない。
    この経験から山花氏は水ではなく、アラビアゴムなど粘性のある水分を試されたようですが、
    白華現象が生じないなど成功しなかったとのこと。ちなみに粘土を混ぜるとアルミナといった
    粘土由来の成分が検出されるはずだが、これらが検出されないため、粘土は混ぜていなかったと
    考えられています。

  2. 捏ねて成形~放置(白華現象)
    指圧でまとまるくらいにまで水分が行きわたれば、いよいよ成形。それでもなかなか原料がまとまらず、
    さらに水を加えて捏ねました。当初、ファイアンスの容器を作ろうと思っていたのですが、いきなり
    壁に当たってしまいました。立体に作ろうとしても自重ですぐに崩れてしまいます。手で形を整えよう
    と触れば触るほど、手に水分が奪われ乾燥し、水を加えると崩れる・・・の繰り返し。
    ファイアンスは難しいとおっしゃっていた山花氏の言葉を理解しました・・・。そこで、すぐに切り替えて、せっかくの機会なのでいろいろと試してみようということで、
    まずピラミッドでも見つかっているファイアンス製タイルもどきに成形(単なる四角い板・・・)。
    白華現象がどうなっていくのかを見てみることにしました。

    タイルをつくってしばらく放置

    さらに1時間後、白い斑点が浮き出てきた

    次に、手で成型することが難しかったので、全体を作ってから削っていくという方法を
    試してみました。参加者の中にもそうしたのではないか?とおっしゃっていた方がいま
    した。

    円盤に作って、真ん中をくり抜く、長方形に作って周囲を
    削って十字型にする・・を試してみたんですが、やはり自重で
    垂れてくるので、穴は小さくなり、四角形もぼってりとしてしまいます。
    ましてや立体的につくるなぞ、相当難しい。

    その他、型に入れて型出しも試みましたが、型から抜けない・・・
    などなど、本当に難しい素材であることが分かりました。

新たな知見

参加者全員、扱いの難しさを理解した感じになったところで、
ファイアンス講演の続き。

山花氏もこの扱いにくい素材を理解し、何か素材に工夫がなければ
立体造形は無理だということで研究を続けた結果、ある材料を入れると
この問題が解決するところまで辿り着きます。

それは

水酸化カルシウム。

いわゆる「漆喰」です。古代にも利用されていたとされる素材。
これを加えることで劇的に可塑性が増し、器や立体造形ができるようになったとのこと。
確かに、私が初めてファイアンスの講演を聞きに行ったとき、まだ漆喰のことは分かっておらず
造形が難しいのだ、という結論でした。そこから、webか新聞かの記事で「ファイアンスの技法を
初めて解明した」という旨の見出しで、進展があったことを知りました。初めてその研究成果の最新
バージョンを目の当たりにしたのですが、以前には見なかったファイアンス容器がサンプルで
作られていました。

炭酸カルシウムも水酸化カルシウムも成分分析では「酸化カルシウム」と
してしか検出されないので、分からなかったとのこと。
研究というのは本当に地道な作業の繰り返しなのです。

ちなみに、なぜワークショップでは漆喰を使わなかったのかというと、
これはアルカリ性が強く、ひどい手荒れがしょうじることがあるので
ワークショップでは扱いが難しいということでした。

私は手荒れしてでもいいので、このより実物に近いと思しき成分で
ファイアンスを再度触ってみたいという想いを強くしましたが、
さらに、これがどうガラス技術につながっていくのか、ということに
興味を強くしたところです。

おわり

 

 

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