ファイアンスのワークショップに参加 ②2020.03.09
ファイアンスの技法
ファイアンスの作り方にはいくつかの技法があったと考えられており、これらのうちのどれかというよりは
並存していたようです。
- 白華技法
今回のワークショップはこの技法の体験でした。原料に水などのバインダー(つなぎ)を入れて
混ぜ、ある程度、原料に湿り気がでてきたら手でこねて成形します。しかし、後述するように、
水の量の調整が難しく、ただでさえ可塑性に乏しい原料なので造形が非常に難しい。
成形物を放っておくと、しばらくして内部から水分がしみ出し、それとともにアルカリ成分
(酸化ナトリウム)が表面を覆ってきます。これが乾いて白い斑点となり、これを「白華現象」
ということから、この名がつけられました。このアルカリ成分が熱されて熔けると、原料中の
二酸化ケイ素やカルシウムと反応し、独特の光沢(ガラス質)が生まれます。また、銅が青い色に
発色します。そのため、この白い斑点を取り除いてしまうと、光沢が生まれません。ちなみに、
バインダーを水より粘性のあるアラビアゴムなどにすると、可塑性は改善されるが、白華現象が
起こらないとのこと。
白華現象(島田作)
つづく
以下も参考:
講演「青へのあこがれ 古代エジプトのファイアンス」①
講演「青へのあこがれ 古代エジプトのファイアンス」②
講演「青へのあこがれ 古代エジプトのファイアンス」③