尼崎市立田能資料館
2016年11月1日~12月18日
田能遺跡に隣接する資料館の常設展の1コーナーに設けられた部屋にて本展示を見ることができました。
入館料は無料。
本当に小さな特別展でしたが、近畿を中心とした弥生遺跡出土のガラスに特化していて、解説もシンプルで
分かりやすい展示でした。弥生時代のガラスの種類はあまり多くなく、形状も球状、管状、勾玉がほとんどであるため
どれも同じに見え、サイズも小さいことから、いわゆる目玉商品みたいな際立ったものはなかったのですが、その分、
集中してまんべんなく見ることができました。
弥生時代のガラスという切り口でガラスを考えたことがなかったので、あらためて分かったことは、
・青いガラスが多い
・墓からの出土が多い
などといった特徴。
穴あきのガラス玉をつくったにも関わらず、何分割かして、別にあらためて穿孔したものがあったのは初めてみました。
説明では意図的に割ったようなことが書かれていましたが、製造後の冷却がうまくいかずに時間が経ってから
割れることもあるので、意図せず割れた可能性もありますが、いずれにせよ、何とかして紐を通す穴を開けて
使おうとしたことが分かります。それくらい貴重な素材だったことが伺えます。
この時代はまだ原料をガラス化する技術はなく、すでにガラス化したもの(カレット)やガラス玉の再熔融でガラス玉を
つくっていたと思われ、たくさんの鋳型も出土しています。鋳型も展示されていましたが、写真では分かりにくかったですが
想像以上に小さい鋳型です。
小さい展示でしたが、十分楽しめました。