Books:本の紹介

『ローマ文化王国ー新羅』2018.05.31

『ローマ文化王国ー新羅』

 

  • 由水常雄
  • 2001
  • 新潮社
  • 317ページ
  1. なぜこの本を書くことになったか
  2. 新羅はどのような国であったか
  3. 新羅はなぜ中国と国交をもたなかったか
  4. 新羅王の王冠の謎
  5. 天馬塚の遺構と遺物が示しているもの
  6. 衝撃の皇南洞九八号双墳の発掘
  7. 微笑するトンボ玉
  8. ケルトの黄金剣の謎
  9. 新羅出土のローマン・グラス
  10. 圧倒的な陶製リュトン群
  11. 新羅はローマ文化の国だった
  12. ローマから新羅への道

vitrum lab.評

朝鮮半島で栄えた王朝の繁栄を示すガラスが出土しているという印象は全くなかったが、
新羅の古墳からは多くのガラスが見つかっていることを知りました。しかも、中国を
飛び越して、ローマ・ガラスだというから驚きです。

高句麗や百済とは全く違う性質の出土品に関心を持ち、著者の研究はガラスだけにとどまりません。
埋葬形態、馬具、装飾品などとそれらのルーツ。これら出土品のほとんどすべてを、考古学的、
美術史的観点で見ることによって、なぜ新羅がローマ文化を享受したのかを解き明かしていく
壮大な内容です。

出土品それぞれの解釈がどこまで考古学的に正論を得ているのかといった判断は個人的には
持ち合わせていませんが、他の遺跡から出土した類例品も絡めた議論はとても興味深い。ローマ文化圏
と新羅が直接つながっておらず、どのようなルートでこれらの物品が持ち込まれたのかは今後、
詳細に分かってくると思いますが、実際に新羅から中国ではなくローマの文化を示すものが出土している
ことは事実。研究テーマとして非常に面白いテーマです。

 

vitrum labook

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2018.05.31 13:33 | ガラス, , 考古学

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