『トンボ玉』
・・・トンボ玉を克明に調べることによって、古代社会のいろいろな歴史的側面を、浮かび上がらせることができる。しかも、トンボ玉の魅力が、人の心を捉え、玉への強烈な執着心を起こさせることから、人頭未踏の奥地にまで、トンボ玉は吸い寄せられていった。この事実は、史書や通常の歴史的通念では捉えがたい未開地との交易や、記録にない地域との交流を、明白に実証する資料を提供する・・・
バーナーワークを始める前から持っていた本で、写真が多くカタログ的な使い方ができることよりもむしろ、ガラスの組成データが掲載されていたので購入。
由水氏らしく古代から現代まで、さらに様々な地域のガラスが写真でみることができます。そして彼の本には必ずと言っていいほど製作工程の写真もあるので、技法の研究にはかなり参考になります。ただしもちろん現代的な方法ですので、そこから古代の技術研究へと深めていくのが自分の仕事なのですが、独学でバーナーワークを始めた私にとっては技術もさることながら、写真中の道具や設備も参考にしました。
後半は解説中心となりトンボ玉とは何かという内容から、現代にいたるまでのトンボ玉の歴史的な考察が、ガラス組成データと一緒に書かれています。ガラスの本が少ない中、トンボ玉に関してはこの本が主な情報源となると思います。ただ・・・索引があればもっとよかったのですけど!
ここで紹介した本は下から選んでご購入いただけます。ここでは改訂版の『トンボ玉』を載せました。