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クットロルフ – Vitrum Lab.

Work:作品紹介

クットロルフ2010.09.23

クットロルフ(復元)

クットロルフ

時代:6世紀
地域:ドイツ
モデル:デュッセルドルフ美術館所蔵品

エピソード:

二連瓶と同じく現代にはあまりみられない形のものを探していたら見つけたもの。
いつものごとく、参考にした文献は技法の説明が分かりにくく、具体的ではなかっ
たため、当時お世話になっていた作家さんに聞いたらあっさりと返事が返ってきて、
形の割にシンプルな技法であったため、それで製作が可能か否か確認するため
すぐにとりかかった。

解説:

この聞きなれない名称はラテン語で「滴」を意味する「gutta」、あるいは「一滴ずつたら
す容器」を意味する「gutturnium」が由来だとされている。

4世頃からドイツを中心に作られ、その後、形をかえながらも17世紀まで作られ続けた。
胴部あるいは頸部が数本の管状になっているのが特徴。

技法の研究:

技法の研究において結論から先に述べると、これは「吸って」作るガラスである。
丸く吹いたガラスを吸うと当然しぼんでしまうが、吸う前の形が重要となる。

  • 平らにした吹き玉の場合
    丸く吹いた状態で、次にこれをマーバーなどで両面を押して平らな形(断面でみる
    と楕円形)にしてから吸うと、玉の中央同士がしぼんでくっつき、くっ付かなかった
    両端が管となって残る。すなわち2本の管となる(コチラ参考)。
  • 三角形に成形した吹き玉の場合
    玉を板や型吹きなどで三角形に成形し、吸うと、各面の中央同士がしぼんでくっつ
    き、3つの角の部分がくっ付かずに管となって残る。すなわち3本の管となる。
  • 四角形に成形した吹き玉の場合
    玉をマーバーや板、型吹きなどで四角に成形し、吸うと各面の中央同士がしぼんで
    くっつき、4つの角が残って管状になる。

このように吸う前の形によって管の数が変わってくる。このクットロルフの場合、4本の管が
あったので四角に成形後、吸って管を作った。

四角に成形吸い込む
四角に成形               吸うと管ができる

この実験では板で四角に成形したが、その後の実験ではマーバーや型吹きでも試し、いず
れの方法も成形が可能であることを確認している。しかし、15世紀の記録でクットロルフは
工場における生産量が制限されていたことが分かっており、その数は小さな工場でさえ100
個以上作ってはいけないことになっていた。この数からして、相当な数のクットロルフが作られ
ていたことが推測されるが、そうすると時間がかかり、失敗のリスクも高い板やマーバーによ
る成形ではなく、同じ大きさを効率よく作れる型吹きで生産されていたと思われる。

ちなみに、吹き玉に何の手も加えず、吸う実験を行ったところ、管の数は2本、3本、5本とばら
つきが出るため、安定して製作するのは困難であった。

参考文献:

  • 島田 守 2002 「古代ガラスの復元製作-二連瓶・三連瓶・クットロルフ- 」『GLASS』45 日本ガラス工芸学会
  • 由水常雄 1992 『世界ガラス美術全集』1 求龍堂
  • 由水常雄 1992 『世界ガラス美術全集』2 求龍堂
  • D.クライン W.ロイド 編、中山公男 監修、湊典子、井上暁子 訳 1995 『ガラスの歴史』 西村書店
2010.09.23 08:36 | 作品, 復元

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