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『カルタゴの興亡』 – Vitrum Lab.

Books:本の紹介

『カルタゴの興亡』2010.10.03

『カルタゴの興亡』

 カルタゴの興亡

  • アンディンヌ・ベシャウシュ著(ローマ領アフリカ)
    森本哲郎 監修
  • 1994
  • 創元社
  • 182ページ
  1. 消えた国家
  2. 行き続ける記憶
  3. ポエニ人の都を発見するために
  4. カルタゴの宗教
  5. ローマ領アフリカの首都
  6. 古代カルタゴの最後

日本語版監修者序文より

・・・”経済大国”は、”軍事大国”の敵ではなかった。名将ハンニバルが活躍した17年に及ぶ第2次ポエニ戦争で、カルタゴはローマの心胆を寒からしめるが、最後には力尽きて”無条件降服”のやむなきに至る。「地中海の女王」と称されたさすがのカルタゴも、息の根ををとめられたかに見えた・・・

vitrum lab.評

創元社の「知の再発見」シリーズです。個人的にはこのシリーズ、写真や図版が豊富で好きです。洋書ならではの大胆なレイアウトと貴重な図版はただ見てるだけでも楽しめます。和書が見習うべき点です。和書はデザイン性が乏しいので内容はいいのですが、読み手を楽しませる要素が少ないんですよね・・・・。あくまで個人的な意見ですが。

本書はティールを逃れたエリッサがカルタゴを建設するところから始まります。つまりタイトル通りカルタゴの歴史を見ていく内容で、フェニキア本土のことはほとんど触れられていません。

この本の大きな特徴は、カルタゴが前146年滅んだ後、どのようにしてその後もカルタゴが生き続けたのかという点にも重点を置いて書かれている点でしょう。廃墟となったカルタゴはアフリカ大陸のローマとして復興され、キリスト教が根付き、アラブ人によって記述され、キリスト教とイスラム教の対立から中世には一時忘れ去られ、再び脚光を浴びるのは19世紀になってからでしたが、最初はまだ憶測や誇大妄想が多くを占める研究でした。この時にカルタゴは人身御供を行う野蛮な宗教があったというイメージが植え付けられています。20世紀になると科学的な発掘が本格的に行われるようになり、誤って解釈されていたカルタゴのイメージを見直し、払拭しつつ、現在に至ります。このように、滅びた後のカルタゴがどうなっていったかについて、良くも悪くも影響を与えた人物を取り上げながら書かれている本は珍しいといえます。

ガラスのことはほとんど出てきませんが、人頭玉の写真とそのコレクターがほんの少しだけ出てきます。ほんの少し・・・。

vitrum labook

ここで紹介した本は下から選んでご購入いただけます。フェニキアシリーズは充実しています(笑)

2010.10.03 14:53 | ガラス, , 考古学

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