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『考古学のための年代測定学入門』2010.10.13

『考古学のための年代測定学入門』

考古学のための年代測定学入門

  • 長友恒人 編
  • 1999
  • 古今書院
  • 161ページ
  1. 放射性炭素法(中村俊夫)
  2. 古地磁気法・考古地磁気法(広岡公夫)
  3. ルミネッセンス法(長友恒人)
  4. 電子スピン共鳴法(塚本すみ子)
  5. ウラン系列法
  6. 層序法 テフロクロノロジー(火山灰編年学)(早田 勉)
  7. その他の測定法(長友恒人)

vitrum lab.評

実は古代ガラスを研究する前は年代測定法を研究テーマにしようとしていました。考古学の研究でもっとも重要な課題といっても過言ではない年代決定。年代の分かる文字史料やコインなどが出土すればいいですが、こういったものが出土するのは滅多にないことで、大半は年代を直接語ってはくれないものばかりです。

しかし例えば自動車に流行があるように、ファッションに流行があるように、1970年代、1980年代・・・というようにそれらの新旧を区別することができます。古代でも同じことがいえます。当時にどんな土器が普及していたのか、その前の時代はどんな形の土器だったのか・・・蓄積されたデータから、その時発掘された土器がいつ頃のものなのかある程度年代を割り出すことができます。こういった手法は「〇〇より古いが△△よりは新しい」という相手あってこその年代付け方法なので「相対年代」と呼ばれ、運よく年代の分かるものが一緒に出土しない限りは、直接的に年代をつけることは難しいです。

では、これが相対的なものではなく、直接「××年」と分かったらどうでしょう?何も年代を示す遺物を伴わなくても、例えば土器だけでもその遺跡の年代を確定することができます。この夢のような話が、科学的な手法ですでに実用されています。

そしてそれらの方法は1つではなく、いくつもあり、それぞれに長所短所があります。それぞれの年代測定法がなぜ可能なのか?どういう試料に対して向いているのか?どのようにして測定されているのか?これからその測定法はどう展開されていくだろうか?といったことがこの本に書かれています。かなり理系の話で難解なところもありますが、年代測定は考古学にとって必要不可欠になっています。実践は専門家にお任せするにしても一読はしておいた方がいいかと・・・・。分からなければ飛ばせばいいのです。

ガラスの年代測定法は今のところありません。中に何か入っていたりするとそこから割り出せたりはできますが・・・。天然のガラスである黒曜石の場合は「黒曜石水和層法」というものがあり、本書でも言及されています。

vitrum labook

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2010.10.13 13:42 | 保存科学, , 考古学

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