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『和鋼風土記』出雲のたたら師 – Vitrum Lab.

Books:本の紹介

『和鋼風土記』出雲のたたら師2010.10.17

『和鋼風土記』出雲のたたら師

和鋼風土記

  • 山内登貴夫
  • 1975
  • 角川選書
  • 224ページ
  1. たたら製鉄復原のねらい
  2. 村下の呪文
  3. 鉄と土と風
  4. 真昼の太陽
  5. 最後のたたら師

表紙まえがきより

タタラと呼ばれる日本古来の製鉄法によってつくられた鉄鋼は、高度に発達した現代の冶金技術をもってしても、とううてい再現がえきないほどすぐれたものであるといわれている。タタラ師という職人集団によるこの技術は、遠くですでに鎌倉時代には完成していた。だが、それを伝承したいわばその集団の長たる村下の役が、一子相伝の世襲であったため、技術公開の機会は現代に至るまであり得なかった。本書は、その秘法解明のため、昭和四四年、わずかに残る出雲のタタラ師と現代最高の科学者の手によって、見事なしとげられたタタラ製鉄復原の感動的なドキュメントである。

vitrum lab.評

出雲のタタラのドキュメントです。旧ブログでこのタタラについて書いてますのでそれを参考にしていただくと内容がよく分かるかと。

本書は1969年に日本鉄鋼協会によって進められた復元事業をまとめたものです。島根の山奥にある「鉄の歴史博物館」で見ることができるビデオをまとめた内容となっています。本当はこのビデオを見て一読すると理解度が深まるかと思うのですが、そのためだけに出雲に行くのは苦行でしょう・・・でもこのビデオはかなり貴重な資料だといえます。

そもそもタタラを見に行ったのは窯の研究の一貫でした。ガラスと製鉄では構造が異なりますが、人力ふいごでどのように空気を送り、どうやって温度を上げていくのか関心があったからです。

それにしてもタタラを復元するのにものすごい苦労があったことが本書より伝わってきます。技術者探しから築炉、炭作り、砂鉄採集、火入れ、製鉄・・・復元事業とはいえ、15日間の作業のために1年もの準備期間を要し、かかった研究費が1969年当時で2700万円!今、古代の技術復元でここまでのものがあるでしょうか?研究費もさることながら、すごいのは、この一連の事業が単なるイベントではなく、本物の職人主体で行われ、科学者が記録を取り、プロのカメラマンが映像記録を撮るという、事業企画としてしっかりした計画の上で行われている実験考古学的研究であるということ。しかも、この後、発掘調査まで行われています。実は、この復元を行うに当たり、もともとタタラとして使われていた場所を利用するつもりが、そこが文化財指定ゆえ許可が下りず、別の場所にタタラを作ってはじめられたのですが、もしそうしていたら、発掘はできなかったといいます。一昔前の内容ですが、この記録はおそらく今後誰もまねできない研究内容ではないでしょうか。

vitrum labook

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2010.10.17 22:40 | その他, 実験考古学,

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