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『遺物は語る』 – Vitrum Lab.

Books:本の紹介

『遺物は語る』2010.10.18

『遺物は語る』

遺物は語る

  • ジョーゼフ・B・ランバート(ノースウェスタン大学教授・化学) 著
    中島 健 訳
  • 1999
  • 青土社
  • 446ページ
  1. 岩石
  2. 土壌
  3. 陶磁器
  4. ガラス
  5. 有機物
  6. 金属
  7. 人間

序より

・・・この書の各章は考古学者が研究に使用可能な種類別の素材に焦点を置いている。話は人類の開発したもっとも単純な素材、岩石に始まり、続いて生産にますます複雑化した化学的処理を要する素材、無機物に属する陶磁器・釉薬・ガラス・金属、有機物に属する染料・食物・飲料・衣類・接着剤に及ぶ。これらの分析から多くの疑問が生まれ、そのいくつかに解答も出る。・・・

vitrum lab.評

著者は考古学者ではなく化学者です。そして扱う内容は考古学。つまり考古化学の本です。目次や序文を見て分かるように、考古学者が扱う素材別に章分けされていて、著者が考古学的な視点を持ち合わせていることが分かります。

化学分析によって石の産地を推定したり、リン酸塩濃度によって失われた居住跡を探査したりといったいかにも化学的な方法によるものから、ユニークな方法として、陶器の成分を顔のパーツで表現することによってグラフ上のプロットではなく、顔の表情によってグループ分けする方法など、多くの素材に対して用いられる様々な分析法が全体に渡って書かれています。かなり読み応えがあります。

内容自体は一般向けに書かれていますが、専門用語も当然出てきます。しかし細かい専門用語に固執することなく、それはそういうものだという軽い認識のまま読み進めることができます。また、最後に用語解説も付いています。そして索引も。

さて、ガラスのこともがっつり書かれています。一部は『続考古学のための化学10章』のガラスの内容と少しかぶる部分もあります。ガラスは成分分析によってガラスの時代や、ソーダガラスなのか植物灰ガラスなのかなどを分類できることが知られていますが、そうした基本的な研究から、不思議なガラスの特性(透過光と反射光で見える色が違うガラス)の解明まで、成分分析ができるあらゆる分析例が紹介されています。ガラスの章以外の、例えば色についての章なども合わせて読めばさらに知見が広がります。

vitrum labook

ここで紹介した本は下から選んでご購入いただけます。

2010.10.18 15:11 | ガラス, 保存科学, , 考古学

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