『ナスカ 地上絵の謎』
ナスカといえばサルやクモ、コンドルなど砂漠に描かれた絵が有名です。そしてそれらは天体と関係があるという説が有力でした(近年になってようやく否定されつつある)。例えば、クモはオリオン座を表している・・・・など。また、地上絵は空から見ると何が描かれているのか見てとれますが、地上に降りてみると、何が描かれているのかさっぱり分かりません。そのため、多くの研究が空から見て絵の意味を考えています。
本書は以上のあり方とは全く別の角度と方法でナスカの地上絵、ナスカ文化を研究しています。一見、よく目立ち謎めいている地上絵にスポットが当たることが多いですが、実は地上絵よりもはるかに多く描かれている直線や台形に注目、さらに、空からよりもむしろ砂漠を歩いて距離や角度を測定することで、地上に住む人間の目線になり、より本質に迫れるという考えを著者は持っています。今まで絵に注目されることが多かったナスカ研究ですが、こういう視点からのアプローチはあまり見たことがありませんでした。とはいうものの、ナスカ研究はまだまだ未解明な部分も多く、今なお多くの説が乱立している状態です。
数ある説のうちの一つとして読み応えがありますが、最初に世界七不思議から始まるくだりと最後のナスカ以外のジオグリフについてのくだりが本書のテーマからはちょっとなくてもいいかなと思い、気になるところでした。
ちなみにガラスは登場しません。南米の考古学はガラスとは無縁なんですよね~
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