横浜ユーラシア文化館にて「古代エジプト 青の秘宝ファイアンス」展が開催中です。
ファイアンスというのは、ガラスの原料でもある石英(SiO2 )の微粒砂に少量の釉(アルカリ)を加えて
焼き固めたもので、着色剤として銅を使うと青っぽくなります。微粒砂は成形が可能で、カバや人物
などの形にも作られました。
原料だけでみるとほとんどガラスと同じで、しかし原料が完全に熔け合っておらず、ガラス化までには
いたっていません。ガラスの前身ともいわれ、古いものは紀元前41世紀にさかのぼるとされています。
ガラスの歴史を見ると、ガラス以前のものととして大体ファイアンスが紹介されます。
とはいっても、ファイアンスは熔解度合いが様々で、ガラス化していないけれども熔けてはいるのが
ファイアンスならば、どこまで熔けているのがファイアンスで、どこからがガラスなのかなど定義が難しい。
見た目では釉のかかった焼き物という感じですが、でも焼き物でもガラスでもない独特な雰囲気をもっている
のがファイアンスです。
個人的にはガラスの前身として技法的に興味があります。窯の技術史に関わるもので、どんな窯で
作っていたのか?しかし、なかなかファイアンスまで研究時間を避けられず、なので、これを見に行くしかないですね!