レバノンでお世話になった現・京都大学大学院教授 泉先生の編書。実験考古学に関する項目もあったので読んでみました。
放送大学教材という位置づけの本なので、一般人向けに分かりやすく書かれています。考古学とは何ぞや?という基本的なところから
現在主流となっている考え方、最新の研究法などを織り交ぜ、代表的な遺跡や研究者を例に挙げつつ、そしてあまり深くなり過ぎなように
考慮されていて、ざっくり読めました。
ガラスについては天然ガラスである黒曜石が少し出てくるくらいで、人工のガラスは登場しませんが、実験考古学 については一歩引いて
考古学全体の中でどの位置にあるのかという頭の整理ができました。あまりにどっぷり使っていると、考古学的な研究としてどう結び付けて
いけばいいのか見失うことがありますが、これで方向性は確認できそうです。また日本の研究者が実験考古学を取り上げる時は、石器の
場合が多く、概説的なことはほとんど述べられないことが多いのですが、そうではないところが目新しく感じました。
本書はここでは扱っておりません。