天理大学附属天理参考館で開催された本書と同じタイトルの企画展のカタログです。以前にガラス原料に植物灰を用いたとされていたササン朝
ガラスが、ローマ・ガラスに特徴のある成分を有するものもあったというニュースをお届けしましたが、そのガラスが展示されたのがこの企画展です。
A5サイズの小さいカタログですが、だからこそ内容が簡潔にまとめられていて読みやすく、そして違う角度の写真や、参考資料の写真や実測図、
イラストなどが同じ解説ページにレイアウトされていたりと、読み手としてありがたかったです。特に違う角度の写真って本でもカタログでも意外と少
ないんです。さらに、成分分析表がひとまとまりで掲載されており、これだけなら他の本にもありますが、同じ表の中にその成分の特徴が簡潔に
書かれているのも、良かったと感じました。このような分かりやすさ扱いやすさを考慮した本は専門書には特に少ないのですが、読み手のことも考えた
内容にするのは大賛成です。
センセーショナルな分析結果が出た今回の展示が、今後どのように展開していくのか楽しみです。
本書はここでは扱っておりません。博物館へ直接お問い合わせください。