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『考古学を科学する』 – Vitrum Lab.

Books:本の紹介

『考古学を科学する』2012.04.22

『考古学を科学する』

  • 中條利一郎・酒井英男・石田 肇 編
  • 2011
  • 287ページ
  • 臨川書籍
  1. 年代推定 Ⅰ 自然災害の痕跡を追う
  2. 遺跡および自然環境の復元
  3. 古人骨・動物遺存体の分析と社会環境の復元
  4. 年代推定 Ⅱ 文化財を科学する
  5. 中世鎌倉の素顔 考古生物試料を用いた分析

vitrum lab.評

全編すべて考古科学と呼ばれる分野からのアプローチで考古学的な問題に挑んでいます。みだしには「・・・考古学を専門とする学生・研究者はもちろん、中世歴史・考古学愛好者ならば必読の一冊!」とありますが、個人的には結構難解な内容でした・・・。見慣れない公式と化学的な試料調整の工程など、なんとなく分かる部分もあったのですが全体的にはなんでそのような処理や分析をしているのか分からず、現状を受け入れながら読み進むしかないというところが多々ありました(笑)。化学的な専門色が濃く、これは文系出身者にはかなり壁の高い内容だと思います。ということで、これは入門書ではありません。

しかし、現在、考古学は従来の発掘と文献資料など考古学的な試料から課題に取り組む形から、科学の力をかりてもっと客観的な視点で課題に取り組む形に変わりつつあります。本書でも述べられていますが、過渡期にある考古科学はまだ完ぺきに足場が出来上がっているわけではありませんが、今後ますます発展していく分野と思われ、文系であってもこれまでと全く異なる方法や発想で問題に取り組む考古学者が登場することは十分考えられます。本書の内容が難しいとか言うのではなく、知ってて当たり前の時代が来るかも知れません。実際、内容的には、アプローチの方法が正しいのか否かは別として、「そういうアプローチの仕方があるのか」と感じるところが多々ありました。

本書ではところどころで、文理融合の重要さが訴えられており、理系研究者から考古学者へ歩み寄る姿勢が感じられ好感がもてましたが、文理融合考古学者の卵を育てるためにも、過渡期にある今、もう少し分かりやすい言葉で書かれた入門書がまず必要だと個人的に思いました。もちろん過去にそのような本もありますが、科学は日々進歩しており、本書のように最先端の内容の本では今後に期待しなければなりません。勉強不足な自分があぶり出された1冊でした!!

ちなみにガラスは出てきません。古代ガラス研究も例にもれず、今、化学分析を含め学際研究が盛んに行われ、非常に面白くなっています。10年前にガラス研究を始めたころよりも確実にいろんなことが分かりつつあります。そんな世界につま先だけでも踏み入れることができて光栄です。

vitrum labook

ここで紹介した本は以下で取り扱っております。

2012.04.22 00:18 | , 考古学

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