「ウクライナの至宝」展
ウクライナはトルコと黒海を挟んで対岸に位置する国。日本にとってウクライナは馴染みがあまりないと思っていましたが、
原発事故という大惨事を経験しているという点で共通点がありました。チェルノブイリ原発事故が起こった国です。
ウクライナってどういう歴史があるのか、もしガラスも発見されているとしたらどんなものだったのか?
黄金製品を打ち出した展示にもかかわらず、多分ガラスもあるかもと(いや、なかったとしても面白そうだったので)いうことで行ってきました。
ウクライナのガラスってあまりピンときませんでしたので・・・
ウクライナは地元住民と草原の遊牧民、地中海文明などが絡み合って歴史が作られていました。思ったより複雑な歴史です。
紀元前9世紀頃から、ちらほらと金製品にガラスが使われていますが、紀元前2世紀頃になってはっきりと金製品にガラスを
嵌め込むことを特徴とした技術が現れ、その後、地中海文明の影響をうけ、おそらく交易で手に入れたガラスが登場しますが、
4世紀頃はガラスではなく紅玉髄やざくろ石など半貴石と呼ばれるものが使われるようになります。展示にはありませんでしたが、
黒海の北側からはローマ・ガラスなどガラス器も発見されています。
以上のように、ウクライナの時代は活躍した民族の名称をとると分かりやすいようです。そして明らかに美術の意匠が刻々と周囲の影響を受けて
変わっていきます。今回は黄金製品メインなのでガラスは装飾品程度しかなかったのですが、かねてより、地中海沿岸で作られたトンボ玉が黒海
北側の内陸部で見つかっていると聞いていたので、それを見たいと思っていたのが、今回展示されていたのは幸運でした。