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”レバノン共和国ブルジュ・アル・シャマリT.01遺跡と壁画地下墓”に関する研究会2日目⑥ – Vitrum Lab.

Blog:羅馬は一日にして成らず -2nd edition-

”レバノン共和国ブルジュ・アル・シャマリT.01遺跡と壁画地下墓”に関する研究会2日目⑥2013.11.28

歴史的位置

最後になりましたが、このブルジュ・アル・シャマリ地下墓と堀込石棺墓の歴史的位置づけについて
討論されました。地下墓の構造は地中海世界でも異質であること(階段の先に石室がない。曲がらないと室内に入れないのが
一般的だそう。ティールの地下墓は階段を下りてそのまま石室に入ることになる)、年号入りのモザイク、キリスト教以前の意匠の
壁画、おびただしい数のガラスピース・・・など、類まれな条件を持つ地下墓や堀込石棺。

さて、この討論においてレバノン考古学者の2人からこの貴重なブルジュ・アル・シャマリの保存の支援をぜひしてほしいと
いう熱のこもった依頼がありました。調査は一区切りついたが、これからの未来はどうするつもりなのでしょうか?と。

このブルジュ・アル・シャマリは私有地から見つかった遺跡です。今は地主の理解を得て、遺跡の調査に協力していただいている
とのことですが、いつまでこの協力関係が続くか分からないといいます。しかし国が私有地を買い取るということも難しく、そもそも市が
そのように国に対して働きかけてくれるようには思えないといいます。

そこで日本で協力してもらえないか、ということです。これは日本でも難しいことだといいますし、ましてや外国に私有地を購入するよう
求めることはできません。あくまでその国が主体で保存を行っていかなければならないからです。要請することはできても、行動できるのは
彼ら2人であり、ティールであり、レバノンなのです。

この討論で個人的に感じたのは、ティールという土地で発見されている数々の成果について、地元の人がどれほど関心を寄せているのか?
ということでした。遺跡に限らず、その土地に根差した文化や風習、もっというなら地場産業、さらにいうなら地元でとれる野菜など、これらは
その地域の人々が関心をもたないと存続は厳しいということです(これはガラスとは違う仕事を通して学んだことですが)。

奈良大で討論されているのはレバノンではおそらく裕福な地位の考古学者と、レバノンから遠く離れた日本の研究者たちの間でしかなく、
そこにまだ地元の人がいません。地元の人が関心を寄せるような施作が必要だと感じました。それはレバノン考古学者の仕事になると思います
が、上から博物館のような箱モノを作っても、活用されなければ意味がないのです。調査に関わっていた頃から、この遺跡発掘プロジェクトは
地元にはどう映っているのだろうと思っていました。外国人が宝をねらっていると思われているのか、自国のために尽くしてくれていると思われて
いるのか、この発掘でティールが観光地になればと望んでいるのか、どうせティールのためにはならないんでしょ?と無関心なのか・・?
あー、このことを2人に聞けずじまいでした・・・・・

今年度で調査は一区切りとなりますが、だからといって放っておくわけではなく、何らかの支援ができるよう働きかけていくということで
落ち着きました。

何か協力できるような仕事があればいいのですが・・・・

そういうわけで研究発表含めてレバノンづくしの二日間でした。とはいえガラスの研究はまだまだ続きます。次は報告書掲載のための
論文。大量に出土したガラスの成分について調べ物が残っています。

 

2013.11.28 00:43 | ブログ

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