Blog:羅馬は一日にして成らず -2nd edition-

遥かなるメソポタミア展2014.07.14

弥生文化博物館に行ってきました。池上曽根遺跡に隣接された博物館で、
日本の展示がメインというイメージが強かったため、メソポタミアに関する展示というのが
珍しく感じました。

展示はオーソドックスに時の流れの順に展示されています。アフリカで誕生した人類が
各地に進出、メソポタミアで文明が誕生し、国家が生まれ、人々は神に祈りを捧げるようになり・・・・
といった感じです。

特に興味を引いたのが「トークン」と呼ばれる、いわば古代の納品書。
粘土製の数え駒のことですが、様々な形や印を刻んだ小さな粘土製のこの駒を
球状の粘土玉に納めて品物と一緒に納品します。受け取った側は品物を開封しなくても、
この粘土玉に入った駒の見ることで何がいくつ入っているのか知ることができます。
超アナログな納品書。楔形文字が分からなくても、エクセルが使いこなせなくても相手に分かるシステム(笑)
古代人の知恵です。

この中に把手のついた容器の形をしたトークンがありました。
時代は異なりますが、ガラスにもこのような容器型のものがあります。
用途は分かりませんが、 そういう視点で見ても面白いかもしれません。

メソポタミアといえばガラスのイメージがあまりなく、どちらかというとエジプトのガラスの方が
知られているかもしれません。しかし、この古代エジプトで花開いたガラスに影響を与えたのは
メソポタミアだとされています。メソポタミアのコア・ガラスの職人が、エジプト王国との戦争に負けたときに
エジプトに連行され、エジプトに技術が伝わったとされています。そんなわけでコア・ガラスの展示を期待していましたが、
残念ながらありませんでした。円形のペンダントトップと小さなガラス玉が全て。この時代は吹きガラスがまだ発明されて
いないので当然ありません。

意外と面白かったのが「担当学芸員のつぶやき」というパネルがいくつかあり、展示にまつわる個人的なエピソードが
ツイッターのようで今風な感じでした。 常設展は私が実習に行ったころとほとんど変わっていませんでしたが、
若手視点を取り入れようとしている雰囲気は感じました。

 

 

 

2014.07.14 23:25 | ブログ, 博物館へ行こう

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