国立国際美術館で開催中の「クレオパトラとエジプトの王妃」展に行ってきました。
テーマの通り、王妃の彫像や彼女たちが使った装飾品、化粧品などが中心の展示でした。
初めて音声解説なるものを使ってみました。声は戸田恵子。
携帯電話よりやや厚めで重い音声ガイドを首からぶら下げて、ヘッドホンをしながら
展示を見ることになります。540円かそこらだったと思います。
展示ケースに音声ガイドマークと番号が表示されていれば、音声ガイドが聞けるというもので、
全ての展示の解説を聞けるというものではありません。その番号と同じ番号を入力し、
再生ボタンを押すと音声が流れます。内容は解説パネルとは全く違うので、音声を聞いて、
解説文を読んで、実物を見るので(全部同時にできればいいのですが)、見終わるまでに
時間がかかりました。しかし、音声でしかきけない発掘者のインタビューなどもあり(これは解説パネルなどがない)
音声ガイドならではの付加価値もしっかりついてきます。
個人的にはまだ慣れてないせいか、音声ガイドはあってもなくてもいいという感じですが、今後は
このサービスを利用したもっと面白いものが出てくるかもしれません。
さて、ガラスは多くはありませんでした。ガラスは新王国時代になってようやく普及し始めたものの、
庶民が手にすることはまだなく、用途としては装飾品の1部や香油瓶が中心でした。
最も気になった展示品に「王妃ティイとアメンヘテプ3世の名をもつコホル壺」があります。
眼のふちを黒く縁取る、アイシャドーの 粉を入れていた容器。ガラスではありません。木製の円筒型容器で、
特徴として同じ形の容器が2つあり、これらは独立していますが、蓋はメガネのようにつながっているため
蓋をすると2連の容器になります。
以前に紹介した「古代エジプト展 女王と王女」展で展示されていた
「アメンヘテプ3世とティイ王妃の名が記された二連の筒状コホル入れ」
も同じ人物の名が刻まれ、これは蓋がなく本体自体が2連になっています。
コホル入れは2連という形を取ることが多いのでしょうか。
さて、この2連容器がなぜ気になったのかというと、3世紀~5世紀にかけてガラス製の「二連瓶」
が多く作られるようになるのですが、これの原型と考えられるからです。二連瓶の用途もコホル入れと
されています。しかし自立できず、ぶらさげて使うようにできています。展示されていた木製コホル壺の
側面に穴が開けられていましたが、ぶら下げられる紐を通していた穴だったら面白いなと思いました。
今後もこのコホル入れに注目していきたいと思います。
帰りは美術館併設のカフェでランチ。
特別メニューの「ピラミッドランチカレー」です。
ピラミッドはドライカレー。頂上部の崩れまで再現したものと思っていたのですが、
メニューの写真はちゃんと頂上もありました(笑)