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キトラ古墳にて古代ガラス体験 – Vitrum Lab.

Blog:羅馬は一日にして成らず -2nd edition-

キトラ古墳にて古代ガラス体験2017.03.20

奈良県キトラ古墳にある古代ガラス体験館にて、ガラスつくりを体験してきました。
ここは学生時代に知って、ずっと見てみたかったところでした。

当時ガラスを熔かす実験を計画していた私は、この体験プログラムの創設メンバー
であった奈良教育大のW先生にアドバイスをいただいたことがあります。出土しているるつぼや
炭までも含め、本格的な古代技術再現の取り組みに非常に感激したことを覚えています。
古代ガラスの実験考古学的研究には非常に参考になりました。
あれからおよそ15年ほど経ったかと思いますが、ようやくこのガラス体験に参加することができました。

ドーム状の窯の中には真っ赤に燃えた炭が入っており、その真ん中に半分埋め込めこんで固定した蓋つきのるつぼが
あります。後方からは絶えず手動のふいごで空気が送られ、その度にごうごうと音を立てて火花が立ち上がっていました。
800℃から1000℃でガラスを熔かしているとのこと。3時間ほどかけてこの温度まで上げていると聞きました。

先端を加熱した鉄棒をるつぼの中に突っ込み、熔けたガラスを巻き取ります。
垂れ落ちないように棒は常にくるくると回しておきます。この間、パートナーが同じようにガラスを巻き取ります。


少し冷めたら再度巻き取り、軟らかいうちに棒を真下に向けて鉄板(マーバー)の上に押し付け、平らな面をつくり、
その後、すぐに先端のとがった型に押し付けて傘状の形に成形します。本来は、マーバーの上でガラスを転がしながら
棒の角度を変えることでこのように成形していたように思うのですが、初心者には難しいため、体験用に工夫された
やり方だと思いました。

パートナーも同じように成形した後、この二つのガラスを合体させ、窯の上で合体させたガラスを 加熱します。
傘状のガラスを合体させているため、このガラスの中は中空の状態になっています。
この時、棒を回しながら全体に炎があたるようにするのですが、二人が同じスピードで棒を回さないとよじれてしまいます。

この時、形が崩れていたり、隙間があいていても、スタッフが火バサミではさみながら整えてくれます。
十分加熱したら、窯から離れたところで棒をお互いに引っ張り、ガラスを伸ばしていきます。
この時も、ガラスの軟らかさを見ながら伸ばさないと、ガラスの細さが一定にならずうまく伸びませんが、最終形ではないので
個人的には、神経質にならなくてもよいと思います。

うまくいけば中空のガラス棒がこれで完成。

次の実験では、このガラス棒を短くカットしたものを3つ選びます。本来ならば自分が作った
ガラス棒をカットして使うのがいいのでしょうが、時間に限りがあるプログラムのため、
棒が冷めるまで待つ時間がないことや、棒つくりに失敗する可能性もあることなどから、
自分が作ったガラス棒を使うのではなく、あらかじめ準備されている カットガラスを使うことになります。

これを型に入れ、カルカヤの茎に針金を通したものをガラスの穴に挿して加熱します。

針金の芯はなくてもよいのでは、と思いますが、とにかく、このように加熱することで、
熔けすぎてガラスの穴がなくなってしまうことを防ぎながら、カット面の鋭い角を丸くすることが
できます。

今回用いた鋳型は3つしかくぼみがないですが、実際にはたこ焼きのプレートのようにたくさんのくぼみがある
粘土板が出土しています。

少し前までは、この小さなくぼみに熔けたガラスを流し込んでいた、と説明する博物館が多かったのですが、
一度でもガラス体験をしたことがあれば、それが無理だということが分かるはず。

今回の実験ではカットガラスから丸い小玉を作っていたという仮説のものでの体験でしたが、
この鋳型の使い方について民俗学的なアプローチから別の可能性も指摘されています。
それについては最後に参考文献を上げておきますが、この動画が参考になります。

ガーナのガラス工房

とにかく、こうして丸められたガラス玉を使って最後にはストラップを作ります。
組みひもに使う紐の色を3つ選べます。

単なるガラス玉作りの体験ではなく、熔けたガラスから作ることが体験できる珍しいプログラムで、
ガラスの実験考古学をしてきた私としてはおすすめな体験です。とはいえ、月に1回か2回ほどしか
実施されていないため、要予約です。

連絡先は国営飛鳥歴史公園の管理センターへ。
場所はキトラ古墳周辺地区にある体験の館。四神の館とは別の建物です。

参考文献

 

2017.03.20 23:17 | ブログ

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