『インカ黄金帝国』2017.07.20
『インカ黄金帝国』
- ハイラム・ビンガム他 浜 洋 訳
- 1968
- 大陸書房
- 316ページ
- 輝ける太陽の大帝国
- インカ皇帝の絶対権力
- アンデスの創造伝説
- インカ最大の帝王現わる
- 辺境への植民と遠征
- インカ人の生活と奇習
- 頭蓋穿孔術とミイラ製作
- 文字なきインカ文明
- 偉大なる巨石建築
- インカ以前の古代文明
- ピサロと黄金の都
- インカ帝国の崩壊
- 反乱と黄金の行方
vitrum lab.評
ハイラム・ビンガムといえばマチュピチュを発見した人として有名ですが、本書はマチュピチュ発見記ではなく、
インカ帝国というものの全般を取り扱ったもの。当時知られていたことが、限られていたのか、それとも一般人向けに
書かれたためなのか分かりませんが、インカ帝国の概要的な内容となっていて分かりやすい。ところどころ、
研究や文献からなのか、著者が読者にイメージしやすくするためなのか分からないようなストーリー性のある説明が
なされていて、多分古い本にはよくある表現のように思えるのですが、今的には違和感があるかもしれません。
そういう内容的な特徴もありますが、現代のインカ帝国についてのざっくりとしたイメージを形作った本のように思われます。
意外にもほんの少しだけ、実験考古学的な内容が出てきました。それはインカ帝国の情報伝達法として知られるチャスキ(飛脚)
についての実験で、実際に若者を選んで当時と同じような服装を着させて、インカ道を13マイル走らせ、その時間を計算して
「リマからクスコまで3日で走った」という記録が本当だったことを証明した、というもの。
今では当時より研究が進んだ本が出ていると思いますが、インカ研究の原点に触れたいのであれば一読してもいいかも。
vitrum labook
ここで紹介した本とお勧め本
2017.07.20 05:48 |
その他,
実験考古学,
本,
考古学