『文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの』下2017.08.09
『文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの』
ジャレド・ダイアモンド著 楡井浩一 訳
2012
草思社
547ページ
存続への二本の道筋
アフリカの人口危機―ルワンダの大量虐殺
ひとつの島、ふたつの国民、ふたつの歴史―ドミニカ共和国とハイチ
揺れ動く巨人、中国
搾取されるオーストラリア
社会が破滅的な決断を下すのはなぜか?
大企業と環境―異なる条件、異なる結末
世界はひとつの干拓地
追記 アンコールの興亡
vitrum lab.評
ジャレド・ダイアモンドによる時空を跨いだ壮大なスケールで描く歴史観。ただし、テーマは「滅亡」。
上巻では古代文明滅亡の事例とそれらに共通するパターンが分析されて終わっていましたが、下巻では最後になぜこのようなことが起こるのかまで踏み込まれています。それだけ聞くともはや滅亡に向けて動き出した貨物列車を止める手立てはないように思えてきますが、それを抑止する小さな動きに光を見出している著者の姿があります。彼はバードウォッチングを楽しむ自然保護論者であるとはいえ、決してその立場から一方的な議論を展開していないところに共感が持てました。
さて、興味深い点は、過去の文明が滅亡した原因を知ったとしても、現代とは状況が異なるし、今の方が技術が進んでいるのだから
参考にはならない、というありそうな反論に対する彼の解答。これはぜひ本書を読んで見つけていただきたい。
vitrum labook
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2017.08.09 05:39 |
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