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第11回アジア考古学四学会合同講演会「アジアの煌めき」②-2 – Vitrum Lab.

Blog:羅馬は一日にして成らず -2nd edition-

第11回アジア考古学四学会合同講演会「アジアの煌めき」②-22018.01.28

奈良県橿原市にある新沢千塚126号墳から出土した紺色ガラス皿と無色透明カット・ガラス碗*1

技法的な視点から見て皿はローマ・ガラス、碗はササン・ガラスと考えられてきた。
数年前に化学分析も行われ、皿はMg、Kともに1%以下のローマ・ガラス、碗はMg、Kが
多いササン・ガラスということが、化学的にも証明された*2。
これは1つの墓からローマ・ガラスとササン・ガラスが出土した珍しい例。

SPring-8を利用した分析

岡山市立オリエント美術館所蔵のカット・ガラスに含まれる微量元素Ce(セシウム)とLa(ランタン)
をスプリング8*3と呼ばれる大型の分析施設で化学分析したこともある。
これらの比率はササン・ガラスを初期・中期・後期ときれいに区別できる。

「ササン・ガラス 分析」の画像検索結果SPring-8のHPより

 

中国で出土するガラスの多くは墓に埋葬されることが多く、埋葬者の没した年が記録されているため
ガラスの年代が分かるのが特徴(没した年以前にはすでにそのガラスが存在したということが分かる)。
そこから分かるのは、遠く西アジアで作られたガラスが東へ伝えられ、中国で埋葬される時、
製作年代と埋葬年代にあまり差がないということ。つまり、製作されたガラスは瞬く間に
世界へ広がっていっているということが言える。

*1  新沢千塚126号墳出土ガラス2点:皿の上に碗が乗せられた状態で発見された。東京国立博物館所蔵。新沢千塚古墳群に隣接されている「歴史に憩う橿原市博物館」には精巧な復元品が展示されている。
皿は台付きだが、後付けではなく一つのガラス種から作られている。発見当時は内側表面全体に絵が描かれていたと報告書にあるが、現在は何となく痕跡がみられるだけ。

碗は口縁部下方に括れを有し、「括り碗」と呼ばれる類のもの。円い斑点に見える部分がカットを施された部分で粗削りとなっており、写真では分かりにくいが、この円形カット列と交互に列を成す形で、実は透明の円形カットが施されている。口縁部は使用に耐えるような処理をされているようには見えず、未完成品と考えられている。

*2  紺色ガラス皿の化学分析関する記事
無色透明ガラス碗の化学分析に関する記事

*3  スプリング8

図5. 2010年のSPring-8(XFEL完成予想図)

これまでの分析が携帯型蛍光X線分析器を用いたのに対し、こちらは大型施設で当然持ち運び不可。
蛍光X線分析は対象にX線を当てて、反射したX線を測定する(各成分によって特有のX線が跳ね返ってくる=蛍光X線)のに対し、スプリング8は対象に含まれる成分を直接数えるので分析精度が高い。蛍光X線分析と違って、微量の試料が必要(=非破壊ではない)。

2018.01.28 07:21 | ブログ, 研究会

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