以前に紹介した『アートなガラスの材料学』で基礎を固めて挑みましたがやはり難しかったです。体系的に整理してまとめたというよりも、著者のガラスつくりの経験(主に工業ガラス)に基づいて、どんな成分を入れたらどうなるとか、原料からガラスを作らない者にとっては興味深いこともしばしば見受けられました。原料からガラスを作れる知識があると、こうも様々なガラスが作れるのかと驚くほど色んなガラスが登場します。古代ガラスでは基本的に「ソーダ石灰ガラス」「カリガラス」「鉛ガラス」「鉛バリウムガラス」が主たるガラスですが、聞き慣れない成分の入ったガラスが沢山登場します。また、古代とちがって今では着色剤も豊富です。それらについても、何がどのような色をつけるのか詳細に書かれています。といっても、このように調合についての内容が多く見られますが、個人的にこれを見たからと言って調合できる自信はありません(笑)。一からガラスを勉強するのにはあまり適していないように思われますが、上で述べたように、ガラスのどの成分がどのようにはたらくのかといった細かいことを知るのに参考になると思います。