『続 考古学のための化学10章』
・・・考古学の研究にいろいろな自然科学の方法が取り入れられるようになった中で、化学を中心とした新しい「手法」を分かりやすく解説した『考古学のための化学10章』が出版されたのは、20年ほど前のことである。幸いこの本はたいへん好評で、その後つづいて刊行された、これらの手法の応用の「成果」を中心とした『続 考古学のための化学10章』とともに、教科書あるいは教養書として多くの読者に支えられてきた。しかし、『続 考古学のための化学10章』の出版からすでに一五年近く経過し、そのあいだに考古学と化学の結びつきはいっそう深まり、さらに新しい手法も開発・応用されて大きな研究成果を収めつつある。・・・
考古化学系の本のシリーズ3作目。続編が出るたびにページ数が増えてきていることに、この分野の注目度が増加していることがうかがわれます。前書2冊で評価はさんざんしてきたので全般的なことは何度も述べませんが、この本ではガラスは出てきません。でも改めて言うと、調査・研究・分析の方法は参考になるので、そういう広い目で読むことをおススメします。今や、考古学には自然科学的な研究方法が欠かせなくなっています。いよいよ考古学者も科学を学ばないといけない時代になってきました。専攻を選ぶときに「考古学」か「保存科学」か迷いましたが、後者にしてよかったとちょっと思います。おかげでかなり広い視野で研究するクセがつきました。この本が出版されてすでに10年、そろそろまた続編に期待します。実験考古学を取り上げていただきたい!
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