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『長崎出島』 – Vitrum Lab.

Books:本の紹介

『長崎出島』2010.10.19

『長崎出島』

長崎出島

  • 山口美由紀
  • 2008
  • 同成社
  • 190ページ
  1. 国際交流の舞台・出島
  2. 蘇る出島
  3. 発掘調査と復元整備
  4. 出島の輪郭と構造
  5. 世界を語る出土資料
  6. 出島をめぐる諸問題
  7. これからの整備と課題

vitrum lab.評

九州・長崎にある出島で行われた発掘によって明らかになった内容を納めた本。1951年から出島復元事業計画が実行され、土地を買収しつつ発掘調査を行い、復元事業を固めていきました。現在は多くの建物が復元され、中に入って見学することもできます。出島の様子については旧ブログに書いていますので参考にしてみてください。

出島の簡単な歴史と発掘成果、そして遺跡整備までの流れが1冊に凝縮されています。出島はヨーロッパ文化流入の入り口だっただけに、近世の様々な輸入品が出土していますが、中継貿易の拠点でもあったためヨーロッパのものばかりでなく中国、東南アジアやイスラム世界のものまで出土しています。こんな狭い人工島で世界中の物品が動いていたことが分かります。

また、出島はオランダ人の居留地だったことから、そこに住んでいたオランダ商人の生活品もたくさん出土しています。当然、ガラスも持ち込まれました。酒のボトル、グラス、窓ガラスなどです。現地では実際に復元建物内にてそれらが展示されていますが、本書でも写真としていくつか見ることができます。ヴェネツィア様式、オランダのガラスなどが中心です。実は本書では取り上げられていませんでしたが、現地の展示では「クットロルフ」を見ることができました。これにはかなり驚きました。

そんなわけで、日本の遺跡発掘の本にもかかわらず、登場するガラスは近世ヨーロッパのガラスですが、まさに出島がヨーロッパと日本をつなぐ架け橋になっていたことが明確に分かります。復元建物内に展示されていたガラスについて、どのように復元したのかを個人的には知りたかったのですが、さすがにそこまでは知ることはできませんでした・・・ 

vitrum labook

ここで紹介した本は下から選んでご購入いただけます。

2010.10.19 13:28 | ガラス, , 考古学

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