もう2011年もおしまいです。
先日、仕事が忙しくなる直前に箱根~横浜旅行へ行ってきました。
箱根といえば、箱根ガラスの森美術館というところがあります。
ヴェネチアンガラスを集めた美術館です。運のいいことにこの日は東日本大震災支援のため
1コインチャリティという企画でなんと500円で入館できました。その効果もあってか平日にもかかわらず
たくさんの人が訪れていました。ガラスの美術館でこれほどの来客はあまりみたことがないのでびっくり。
入り口に葉がガラスの木が何本も立っていて、これが太陽光をキラキラと反射して
きれいでした。
この日は企画展として「春を招くヴェネチアン・グラス」展が開催されており、来年が辰年だけあって
テーマは「ドラゴン」。ワイングラスのステムにドラゴンが鋭い爪足でぐっとつかまっている意匠はめちゃ迫力が
あります。他に把手がドラゴンだったりとか、こんなにドラゴンを使ったガラスってあったのかというくらい。
この躍動感のあるガラスとは正反対にも見える、落ち着いた雰囲気をもつレース・グラス(私のヴェネチアン・グラスの
イメージはこちらの方が強いのだけど)も見ることができます。さすが世界のガラス工芸を背負ってきたことだけ
あって、どのガラスも技術の高さに見とれてしまいます。
館内は意外と広く、宮殿の中にいるような雰囲気になっており落ち着いた感じがします。この雰囲気のよさも
展示と合っていました。ヴェネチアン・グラスに関する本も展示もあまりみたことはなかったのですが、写真でみる
よりはやっぱり実物の方が迫力も繊細さもすごく伝わってきます。
最後に「風にそよぐグラス」は・・・・すごいです。カップと台の間をつないでいるのは極細のまっすぐでないステム。
今にも折れそうなこのステムは明らかに器を支えるには力不足で不安定です。それが結果的に風によってゆらゆらと
ガラスが揺れる効果を生み出しています。花のように風に揺れるガラスは、そのアイデアも技術もすばらしい。