Blog:羅馬は一日にして成らず -2nd edition-

トルコ旅行04 薪で熔かす窯2011.08.18

タクシードライバーがおもむろに取り出したのは、預けっぱなしだった写真。
あのタクシー乗り場で見せたやつです。

そしたら近くにあるから一緒に言ってもいいよとムラート氏。
びっくりです!写真のその窯は薪でガラスを熔かしていました。
ガラスの研究を始めて10年以上が経ちましたが、薪でガラスを熔かす窯を見るのが長年の
目標だったので(マニアック・・・)ようやく叶おうとしています。
不運だと思われたムラート氏のオフ日は、ここにきて逆に幸運となりました。
そうじゃないと案内してもらえなかったので!

さらに・・・その工房に電話していただいたんですが・・・

今ちょうど、原料を熔かして交ぜているところだといいます。
そんな場面をみることも滅多にありません。これ以上運を使って、帰りの飛行機が落ちませんように・・・

で。

着きました。夢の薪で熔かすガラス工房!

窯

薪を燃やしているので建物内がスモーキーです。
ガラスの巻き取り口から炎が噴き出しています!

鉄棒でガラスを一生懸命かき混ぜていました。まだ硬そうでした。時折、着色材として銅粉を
入れていました。これで青色のガラスになります。

作業ができるまで1時間くらいあるのでランチに行ってきたらという提案でランチへ

ボンジューク・カフェ

近くの「ボンジューク・カフェ」。実は工房へ向かう時に道を聞くために寄ったところでした。
店主が行き方を教えてくれたのです。ランチで恩返し。

で、再びムラート氏を迎えに行き、先ほどの工房へ。
建物からはカンカンと音が聞こえていました。すでに作業が始まっていました。

親方。めちゃくちゃ作業が早い・・・・
小さい玉ですが徐冷炉がどんどんたまっていきます!

もう一人の職人は魚形のガラスを作っていました。

この工房は吹きガラスなみの規模の窯でガラス玉を作っていました。
なぜこの窯が見たかったかと言いますと、それはフェニキア人頭玉の技法の研究に端を発します。
復元品「フェニシアン・ネックレス」を参考にして下さい。
そう、全体を加熱しながらガラス玉を作る技法を実際に見たかったのです。
これを見れた私はラッキーです。この調査をもとに研究を進めます。

親切に案内して下さったムラート氏に感謝。今もメールで質問させていただいております。

イズミルに来た甲斐がありました。日本人誰もいませんでしたけど!

2011.08.18 01:46 | トルコ, 旅行

コメント(6件)

  1. 青山 > 返信
    こんにちは、初めてコメントします。
    いつも充実したブログで感心しています。

    沖縄の水中考古学調査で、沈没船から出土したワイン瓶などが今こちらにあり、詳しい人に見せたいね、などと話していたところです。

    今度、ぜひ沖縄にいらしてください。
    • vitrum.lab. > 返信
      青山様

      こんにちは!コメントありがとうございます!
      それは耳寄りな情報ですね・・・どこから来た船なんでしょう?沖縄も水中考古学が有名ですもんね。
      実はトルコに決まる前は沖縄も候補に入っていました。
      水中遺物はまだ生で見たことがないので興味があります。

      水中から引き揚げられたガラスの処理は脆いものなら海水に浸けておいて徐々に淡水を足していくのがよい・・・とかある程度の特殊な処置があるようです。保存の観点からも興味深いですね・・・
  2. 青山 > 返信
    とりあえず、ガラスは丈夫です。内部にコルクも残っています。今、中のコルクの保存処理を進めるところです。中国製青花がたくさん出ています。

    10月に水中考古学のシンポジウムが沖縄にありますので、ぜひいらしてください。

    私の読みが正しければ、あなたに会ったことがあると思います。
    • vitrum.lab. > 返信
      青山様

      そんなシンポジウムがあったのですが!初耳です。
      ちょっと仕事の調整しないといけませんがなにせ有給少なく(しかもトルコ旅行でほぼ使い果たしました!!)週休2日でもないので綿密な計画がいりますね・・・

      会ったことがある?なんて衝撃的発言!と思いつつなんだかそんな気がしてました。あの青山さんですよね?(笑)
  3. 青山 > 返信
    正解ー。
    ではまた、コメントします。
  4. shimada > 返信
    やっぱり!(笑)
    ご無沙汰しております!

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